国産フードと海外フードについて解説します
「国産ペットフード」の方が安全とは言い切れません。
日本の和食がユネスコ無形文化遺産として世界で認められていることは、日本人として誇らしいことです。新鮮で多様な海の幸や山の幸、「うま味」を活用し旬の素材の持ち味を生かした調理法、動物性油脂が少なくバランスのとれた献立、自然の美しさや季節を表現した器や盛り付けなど、和食にはたくさんの美点があります。
ですが、動物についていえば、日本は先進国の中では動物後進国といわれることも多いのです。たとえばペットフードは「食品」ではなく「雑貨」の扱いになるため、スーパーでは洗剤や日用品の近くに置かれています。ペットフードに関しては欧州と比べると規制もゆるく、「国産」ということだけを理由には安心だとは言い切れません。
国産ペットフードのメリット・デメリット
メリットとしては、以下のようなものがあげられます。
・高い技術力と安全性を誇る日本製品は、安価なものでも安心して与えられる
・製造から手元に届くまでの期間が短く、酸化や品質の低下リスクが低い
・海外産に比べて運搬コストがかからないため、安価なものが多い
デメリットとしては以下のようなものがあります。
・ペット先進国から輸入されたものに比べると、ペットフードに関する基準が低く曖昧なため、品質が不安なものもある
・価格を下げるために穀物中心のフードが多く、栄養バランスが悪いことがある
・国産と謳っていても、実際は外国産の原料を使用したり海外工場で生産したりしているものもある
以上のような利点と欠点は国産フードに限らずありうることですが、国産製品でよくあることをあげました。
日本に輸入される欧州のペットフードは厳しい基準をクリアしています。
日本では海外から輸入されているペットフードで汚染トラブルなどが起きた時に、農水省が素早く輸入禁止や流通を止められる仕組みを持っています。海外のペットフードで汚染などによる健康被害がおきた場合、すぐに日本の関税を通れなくなるのです。そのため、日本の厳しい関税を通ってきているペットフードは基本的に安心といえるでしょう。
世界基準のFEDIAF(欧州ペットフード工業会連)の栄養基準を満たしています。
FEDIAFは、動物に優しいヨーロッパを代表するペットフード業界団体です。FEDIAFの目的は、「安全で栄養価が高く、美味しい製品を提供するのに望ましい状況とするために、当局、規制機関、学術界が協力して、ヨーロッパのペットフード業界が信頼できる情報を提供すること。」とされており、世界でも広く認められる基準となっています。
FEDIAFでは、ペットフードの製造に関するガイドラインを作成しており、安全なペットフードの製造に関して啓蒙・指導を行っています。また、汚染などが起きないように製造工場に対する認定も行なっています。このようなことから、ヨーロッパ産のペットフードは安全と評価されているのですね。FEDIAFは日本と比較すると厳しい基準により、指導・評価が行われているので、意識の高い飼い主さんほど海外フードをお求めになる傾向にあるようです。
上質なフードで長生きしてほしいですね
物言わぬワンちゃんネコちゃんの健康は、飼い主さんが守ってあげなくてはいけません。
その仔に合うか合わないかは与えてみるまで分かりませんが、「FEDIAF」「総合栄養食」「ヒューマングレード」などの表示は、安全の基準として信頼できるものといえます。ペットフードに迷われている方は、こうした基準を参考にしてみるのもいいかもしれません。
大事な家族であるワンちゃんネコちゃんには、美味しいものを食べて、長生きしてほしいですね。
ライター:北川