あなたは知っていますか?獣医師が教える「熱中症の症状・対策」について
今回は、熱中症についてのお話です。
知っているよ!と言う方も多いと思いますので、確認のつもりで読んでくださいね。
◇熱中症になりやすい子
熱中症は気温や湿度の問題ですが、どれくらいの環境にその子が耐えられるか・・・という問題もあります。
熱中症予備軍、つまりリスクが高い子は、より注意が必要になりますね。
①短頭種の子
パグやシーズ―、ポメラニアンやチワワなど。
お鼻の短い子たちはもともと呼吸系に問題が潜在的にある子が多く、暑さで呼吸数が増えてしまうと悪化する可能性があります。
寝ているときにいびきをかく子は、要注意です。
②肥満の子
体の熱が上がりやすく、冷めにくい肥満の子は、それだけでなく、換気障害を起こす可能性も高く、熱中症になるリスクが高くなります。
③子犬、シニアの子
子犬やシニアの子は温度や湿度に対する適応能力が低く、健康な成犬の時に全く問題ない温度でも、熱中症になってしまうことがあります。
特に①、②に当てはまるシニアの子は要注意です
◇熱中症の症状
熱中症の初期症状としては、よだれを垂らす、口を開けてはぁはぁ呼吸をする。そしてその時の舌の色が普段よりも赤い、紫っぽい。動きが緩慢になる…などです。
重症になると、鼻血、失神、けいれん発作などが見られます。
最悪の事態になってしまう可能性もある熱中症なので、なるべく初期症状の内に対策をしてあげましょう。重症化した場合は一刻も早く体を冷やして病院へ!
◇対処方法
*こまめな水分補給
お散歩中は10分に一度はお水をあげるようにしましょう。
もちろんお留守番中のお水は多めにセットして!
普段から飲まない子はご飯をふやかすなどして1日の水分摂取量を多くしてあげてください。
*お留守番中の温度管理
エアコンは26~28度に設定しましょう。
また、エアコンに頼るだけでなく、カーテンを閉めたり凍らせたペットボトル、クールマットなども活用しましょう。
今は少なくなっているようですが、凍らせてもやわらかい保冷材はエチレングリコールが含まれています。
中毒を起こしてしまう成分の1つですので、ワンちゃんの手の届く(口の届く?!)ところで使うのはやめま
*お散歩中の温度管理
当然ながらお散歩は涼しい時間帯に。
お出かけの際には素手で道路を触る温度チェックも忘れずに。
着ると涼しくなる濡らすタイプの洋服を使ってみるのもいいかもしれませんね。
毛の短い子は洋服を着ることで直射日光から守ってあげることができます。
熱中症は飼い主さんの心がけ1つで防ぐことができます。
これからしばらく、暑い日が続きますね。
誰も熱中症になることがなく、快適な夏を過ごせるよう祈っています。
獣医師:丸田 香緒里
◆丸田 香緒里 プロフィール
日本大学卒。動物病院勤務後、「人も動物も幸せな生活が送れるためのサポート」をモットーにAnimal Life Partner設立。ペット栄養管理士、ホリスティックケア・カウンセラー、メンタルケアカウンセラーなどの資格を生かし、病院での診療や往診のほかに、セミナー講師やカウンセリング、企業顧問、製品開発など活動は多岐にわたる。
HP:http://animallifepartner.com/
ペットの熱中症の対策と注意点!獣医師解説あり:コチラ