使役犬と呼ばれる働く犬「災害救助犬」 | WePet-プレミアムペットフード通販

使役犬と呼ばれる働く犬「災害救助犬」

豆知識

災害救助犬

大災害が起きた時、過酷な現場で被災した人々を救出するために活動する犬達、それが災害救助犬です。被災者の救助を行う自衛隊員や消防・警察官達とともに、泥だらけや埃まみれになりながら捜索する姿をニュースなどで見かけたことがあると思います。

実際に活動する姿を目にする機会はほとんどないと思いますが、災害救助犬たちが訓練を行う兵庫県伊丹市にある「認定NPO法人 日本レスキュー協会」に行く機会があり、訓練に参加させて頂きながら、訓練所の方から災害救助犬についてお話を伺ってきましたので、レポートします。

災害救助犬の役割と活動

要救助者や行方不明者を探し出し、救出する大切な役割を担っています。日々訓練を行いながら、いつ起きるかわからない災害に対し準備を行っています。
災害救助犬の育成団体はいくつかありますが、日本レスキュー協会は日本だけでなく海外有事の際にも出動することがあるそうです。

ただ、災害はいつも起きているわけではありません。普段はセラピードッグとして被災地を回って心を通わせる活動をしたり、ペット防災の普及活動として啓発活動を行ったりもしています。日常生活を災害によって失った被災者の方は、そのあとの生活再建や日常生活を取り戻すことにも苦慮することがあり、そのストレスは長く続くことがあります。災害救助犬達はそんな皆さんの心の癒しにもなってくれます。
ほかにはイベントなどに参加して災害救助犬デモンストレーションを行うこともあるそうです。もちろん、訓練施設での訓練も怠ってはいません。

災害救助犬の訓練

今回は実際の訓練施設でのデモンストレーションに参加しました。
要救護者を探す災害救助犬はラブラドールレトリーバーの太陽くんです。

大好きなご褒美は「恐竜のぬいぐるみ」で、このぬいぐるみは訓練の時だけでなく、実際の災害現場にも持っていくご褒美とのこと。昨年の熱海市伊豆山での土砂災害現場にも持っていったそうです。
土砂の中にいる要救護者を探す訓練ということで、救護者役がコンクリートでできた穴の中に潜ると、すべての穴に蓋をして訓練開始です。
太陽くんに装着された鈴の音が縦に横に上へ下へと動き回り、地上から地下までまんべんなく探している様子がわかります。
救護者を探している太陽くんは「必死に」というより「楽しそうに」走り回る様子が印象的です。

その理由はすぐにわかりました。
要救護者を発見すると大きな声で「ワン!」と一声。これが発見の合図です。
救護者が穴から出てくるとハンドラーさんも「太陽!いい子だね!よくやったね!」と褒め、要救護者役の方も「ありがとう!ありがとう!太陽」と喜んでいます。
これが命のかかった災害現場だったら、どれほどの喜びかと思います。太陽くんはそれを理解していて「発見したらみんなが喜ぶ、たくさん褒めてもらえる」ということがわかっているから、楽しそうに捜索ができるのだと思いました。もちろん、ご褒美の恐竜ももらえてご満悦です。

訓練には様々な工夫があり、遠隔訓練だけでなく狭い場所でも入っていく訓練や足場の悪いところでも活動できるようにする訓練、水難救助や雪難捜索など、様々な災害現場を想定した訓練を行っているそうです。ただそれは救助のためだけでなく、災害救助犬が安全に捜索を行うために必要な訓練で、救助犬達が二次災害に合わないためにも必要なことを教えているそうです。
現場に同行するハンドラーさんは常に犬達の安全を配慮しながら捜索を行い、危険と判断した場合は捜索を中止する判断することもあり、「喜びも悲しみもいつも一緒」という思いでいるそうです。

災害救助犬の育成

日本レスキュー協会には現在約30頭の災害救助犬が在籍しているとのことですが、育成には2~3年を要し、引退はだいたい8歳頃とのことです。その後はリタイアウォーカー(里親)さんの元でゆっくりのんびりとした余生を過ごすとのことです。

また、今でこそ災害時には欠かせない人命救助のパートナーとして活躍する災害救助犬ですが、活動を始めた頃に発生した阪神淡路大震災では、腐った食べ物の臭いに翻弄され、上手く救助の役に立てなかったという苦い経験があり、訓練方法には多様な工夫を重ねたと知りました。

これからも応援したい「災害救助犬」

本来ならば、あまり活躍の場がないほうがいいなと思ってしまう災害救助犬達ですが、いざという時には被災者の方々の祈る思いを背負いながら救助に向かうことと思います。
災害はないに越したことはありませんが、これからも心から応援していきたいと思う訓練体験でした。

ライター:今井由江

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