【獣医師監修】ペットの長寿化、飼い主の高齢化で注目される「動物往診診療」
動物往診診療
皆さんは、おうちの子が具合が悪くなってしまったとき、動物病院に連れて行くと思います。
でももし、その子が寝たきりになってしまったらどうしたらいいでしょうか?
もし飼い主さんがどうしても動物病院に連れていくことができなくなってしまったらどうしたらいいでしょうか?
そんな時、ぜひ利用してみたいのが「動物往診診療」です。
どんなことをしてくれるのか?どんな時に利用したらいいのか?
今回は「そんなのがあるのを知らなかった!」という飼い主さんにもわかりやすく紹介します。
往診診療とは?
往診診療は、獣医師がご自宅に伺って診察を行います。
ほとんどの場合コンパクトカーに必要な薬や注射、検査機器を載せてお伺いし、診察を行います。
先生によっては移動診療所のように車の中で診察ができるような場合もありますので、問い合わせる際に聞いてみてくださいね。
往診でできること、できないことは?
往診診療では、手術やレントゲン検査以外のほとんどのことを行うことができます。
先生が移動して診察を行うという点を考慮すると救急に対応することは難しいですが、その他の検査や治療は行うことができます。
注射や投薬処方はもちろん、超音波検査や血液検査も可能です。
おうちの子の症状が往診で診察してもらえるかどうか不安な時には一旦電話などで問い合わせてみるといいでしょう。
また、往診の先生は介護が必要な子を診察する機会がとても多いため、一般的な西洋医学的な治療だけではなく、東洋医学(鍼灸治療や漢方など)やオゾン療法などを取り入れている事も多いです。
一般的な治療やこれまでの継続治療はかかりつけの先生に相談して、介護やケアの方法を往診の先生に相談するといった形で併用している飼い主様もたくさんいらっしゃいます。
往診の場合、一般の病院よりも診察時間をゆっくりとっているので食事の相談などもすることができます。
診察を行う場所は?
診察をする場所はほとんどの場合、リビングなど少し広い場所ですが、玄関先で行うことも、庭で診察をすることもできます。
怖がりな猫ちゃんなどの場合、部屋で逃げ回ってしまって診察ができない・・・ということもあります。
問い合わせの際に怖がりであることを伝え、診察を行う場所、事前準備(洗濯ネットに入れる、タオルを用意するなど)を確認しておくことをお勧めします。
往診をしてくれる病院の見つけ方
今までかかっている病院で往診をしてくれる場合もありますが、もししていなかったとき、往診獣医師協会(https://jhvca.main.jp/owner/)のサイトで検索することができます。
ペットの長寿化、飼い主さんの高齢化が進む中、往診診療があることで安心してペットと暮らすことができますね。
何か困っていることがあるときは一度相談してみてください。
◆丸田 香緒里 プロフィール
日本大学卒。動物病院勤務後、「人も動物も幸せな生活が送れるためのサポート」をモットーにAnimal Life Partner設立。ペット栄養管理士、ホリスティックケア・カウンセラー、メンタルケアカウンセラーなどの資格を生かし、病院での診療や往診のほかに、セミナー講師やカウンセリング、企業顧問、製品開発など活動は多岐にわたる。
HP:http://animallifepartner.com/