【獣医師監修】犬と猫の鼻水が出る時の対処方法 | WePet-プレミアムペットフード通販

【獣医師監修】犬と猫の鼻水が出る時の対処方法

健康

人間と同じように、犬猫でも鼻水が出ることがあります。
すぐに動物病院に連れていくべきなのか、少し様子をみていいものか悩む場合もありますよね。

今回は、犬と猫で鼻水がみられたときの原因と対処法についてお話していきます。

鼻水は正常でも鼻粘膜から少量ずつ分泌されており、細菌ウイルス、花粉などの病原体や異物を外に洗い流す役割をしています。少量であれば舐めとったり飲み込んでしまうことで鼻の外に垂れてくることはありませんが、何らかの原因で分泌量が増えてくると鼻水の症状として表れてきます。

鼻水の原因

外部刺激

埃や煙、冷気など環境中の刺激のあるものを吸い込んだ場合。
通常は透明な鼻水で、一時的でその他の症状がない場合は掃除など環境の整備や温度管理をして原因と思われるものを取り除き、様子をみてあげましょう。

異物

お散歩中に草や砂などを吸い込んでしまったりすることで鼻腔内に異物が入ってしまったとき。何度もくしゃみをしたり、異物によって鼻粘膜に傷がつくと鼻出血や膿性の鼻汁がみられることもあります。

感染によるもの

細菌、ウイルス、カビの感染によっても鼻炎が起こり鼻水がみられることがあります。

子猫では、ヘルペスウイルス、カリシウイルス、クラミジアなどの感染により、いわゆる猫風邪と呼ばれる風邪に似た症状が出ます。膿性の鼻汁やくしゃみの他に結膜炎による目やになど目の症状も併発し、発熱や元気、食欲の減退がみられることもあります。

子犬では、犬ジステンパーウイルスや犬パラインフルエンザウイルスの感染症で鼻水、くしゃみがでることがあります。
犬ジステンパーウイルス感染では、高熱、目やに、嘔吐や下痢などの消化器症状、けいれんなどの神経症状も併発することもあり、非常に致死率の高い病気です。
犬パラインフルエンザウイルスはケンネルコフと呼ばれる犬の集団風邪の原因のひとつで、感染すると咳を主症状とする風邪のような症状がでます。

成犬、成猫の場合でも、これらのウイルスの潜伏感染や免疫力の低下により症状が出ることがあります。

いずれの感染症もワクチン未接種の若齢の個体で重症化しやすいですから、適切な時期にワクチン接種を行っておくことが重要になります。
また、疑わしい症状がある場合はすぐに動物病院の診察を受けるようにしてください。

歯牙疾患

犬猫の上顎の犬歯や臼歯の歯根は鼻腔と隣接しており、歯周病などが進行すると歯槽骨が溶け、歯茎に鼻腔へとつながる穴が開いてしまうことがあります。
この状態を口鼻腔瘻管(こうびくうろうかん)と言い、鼻炎の症状(くしゃみや鼻水、鼻血)が出ることがあります。
歯石がたくさんついていたり、歯肉が赤くなっているのに気付いた場合は注意が必要です。

アレルギー

皮膚の痒みなどに比べ頻度は少ないですが、くしゃみ、鼻水として症状が現れることがあります。

鼻腔腫瘍

鼻の中に発生する腫瘍で、くしゃみ、鼻水、鼻出血や、鼻筋の隆起や変形がみられることもあります。鼻腔腫瘍の多くは悪性で進行も早いため早期の診断、治療が重要となってきます。

肺水腫

心不全などにより肺に水が溜まってしまう病態で、呼吸困難やチアノーゼ、泡沫状の鼻水などがみられることがあります。
これらの症状がある場合、非常に緊急性が高いですので、速やかに動物病院の診察を受けて下さい。

まとめ

以上のように鼻水の原因も多岐にわたります。
鼻水の量が増えたり、色がついてドロドロしている、血が混じる、鼻水以外の症状がある場合は動物病院で早めの診察を受けることをお勧めします。
鼻水のお家でのケアはこまめに拭いてあげることが基本となります。

特に膿性の鼻汁の場合、鼻の入り口に固まって呼吸のしづらさにつながりますから、ぬるま湯で濡らしたガーゼやタオルなどでふやかしながら取ってあげましょう。

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獣医師:丸田 香緒里

◆丸田 香緒里 プロフィール

日本大学卒。動物病院勤務後、「人も動物も幸せな生活が送れるためのサポート」をモットーにAnimal Life Partner設立。ペット栄養管理士、ホリスティックケア・カウンセラー、メンタルケアカウンセラーなどの資格を生かし、病院での診療や往診のほかに、セミナー講師やカウンセリング、企業顧問、製品開発など活動は多岐にわたる。
HP:http://animallifepartner.com/

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