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小型犬の性格と遺伝の関係の一端が明らかに

豆知識

アニコム損害保険株式会社は、京都大学との共同研究を通じて、トイ・プードルとミニチュア・ダックスフンドの2品種において、高い遺伝率を持つ行動特性と、行動特性に関連する複数の遺伝子変異を明らかにしました。この成果は、問題行動を起こす潜在的リスクを予想し、予防するためのトレーニングに役立てることが可能としています。

小型犬の性格と遺伝の関係の一端が明らかに

以下、アニコム損害保険株式会社の研究についてご紹介します。

■研究の成果

犬は最も古い家畜であり、現在では番犬としてだけでなく、家族の一員として深い関係を築いています。日本でも犬は猫に次いで多く飼育されているペットであり、中でもトイ・プードルやミニチュア・ダックスフンドといった小型犬は特に人気があります。
犬の性格は、飼い主との相性やしつけのしやすさに大きく影響します。これまでの研究から、犬の性格は環境要因と遺伝要因の両方によって影響を受けることが分かっています。例えば、ラブラドール・レトリバーにおける大規模な調査では、性格特性が複数の遺伝子の影響を受けていることが示されました。また、秋田犬では特定の遺伝子多型と攻撃性の関連がわかっているほか、以前当社などが行った研究において、ジャーマン・シェパードやラブラドール・レトリバーなどの使役犬において特定の遺伝子多型と訓練の成功率の関連が報告されています。しかし、これらの研究は大型犬に偏っており、日本で人気のある小型犬の性格と遺伝子の関係については十分な研究がなされていませんでした。

◼︎研究の方法

本研究では、人気の小型犬であるトイ・プードルとミニチュア・ダックスフンドの飼い主を対象にアンケート調査を実施し、犬の性格に関する情報を収集しました。このアンケートには、活発さ、社交性、怖がり度など、様々な性格特性に関する39項目の質問が含まれていました。収集した情報の解析には、因子分析を用いました。
次に、収集した情報と犬の遺伝情報を照らし合わせることで、性格と遺伝子の関係を解析しました。ここでは、ゲノムワイド関連解析(GWAS)という手法を用いて、特定の性格特性と関連する遺伝子領域を探索しました。

◼︎研究の成果

301頭のトイ・プードルと183頭のミニチュア・ダックスフンドを対象に解析を行った結果、トイ・プードルにおいて「活発さ(遊び好き、いたずら好きなどを含む)」、ミニチュア・ダックスフンドにおいて「人間への社交性」という性格特性について、それぞれ遺伝的な影響があることが明らかになりました。社交性は犬とオオカミを区別する重要な要素の一つであり、家畜化の過程で大きな役割を果たしたと考えられています。また、活発さは犬種によって大きく異なることが知られており、今回の結果も犬種間の違いを反映している可能性があります。

さらに、GWASによってこれら二つの性格特性と関連する遺伝領域を調べた結果、統計的な有意差はないものの、CCDC198やASTN1といったエネルギー代謝や脳形成に関与する遺伝子に位置するSNP(Single Nucleotide Polymorphism:一塩基多型)との弱い関連が示されました。これらの関連性についてより詳細に検証していくには、今後さらに多くの小型犬を対象とした調査が必要です。

これらの結果は、小型犬の行動特性が遺伝的な要因によって影響を受けていることを示唆しています。つまり、今後の小型犬の行動改善やしつけ方法の開発に役立つ可能性があると言えます。

◼︎今後の展開

今後、より多くの犬を対象に遺伝解析を行うことで、性格と遺伝子の関係をさらに詳細に明らかにできると考えられます。
アニコム損害保険株式会社は、今回の成果をもとに、個々の犬の性格に合わせたしつけ方法や飼育環境の提案など、応用的な研究も進めていく方針です。

本研究成果は、米国John Wiley & Sons社が刊行する学術誌『Animal Genetics』にて、1月31日にオンライン公開。

参考:アニコム損害保険株式会社公式サイト

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