自転車で犬を引っ張るお散歩は違反⁉
毎日でかけるお散歩は愛犬とのコミュニケーションをとる大切な時間で、ワンちゃんも外に出られる、生活の中のメインイベントです。
犬種によっては多くの運動量が必要になり、時間をかけてお散歩する必要があります。お散歩の平均時間としては、小型犬で30分程度、中型から大型犬だと1時間程度の散歩は必要とされていて、しっかりと時間と体力を使ってお散歩をする必要があります。
大型犬の散歩は人にとっても労力のかかるものですが、中には犬を満足させるために「自転車に乗り愛犬と一緒に走る」飼い主さんを見かけます。
長い距離を短時間でお散歩するには良い方法に思えますが、多くの危険とリスクがあります。いわゆる「自転車引き」について考えてみます。
そもそも自転車とは
子供から高齢者まで、免許もいらず気軽に使える乗り物ですが、自転車は道路交通法の中では車の仲間になる「軽車両」です。交通ルールもしっかり決まっていて、近年は事故も多く、自転車運転の罰則も厳しくなっています。令和5年4月からはヘルメット着用も努力義務となりました。
基本的に守らなくてはならない「安全利用自転車5則」に加えて、「ながら運転」への罰則はとても厳しくなり、都内では自転車の取り締まりをよく見かけるようになりました。
愛犬を自転車で引くリスク
リードを持って走る行為は「片手運転」でバランスを崩しやすく、引っ張られて転倒したり、自転車と犬がぶつかって愛犬と飼い主がどちらも大怪我をするリスクもあります。
さらに、歩行者にぶつかる事故を起こした場合は「重過失傷害」となり重い罰則や損害賠償を科せられるケースも増えています。損害賠償額も高額になり、責任の重さを感じます。
警視庁のHPでチェック
警視庁のHPに「自転車の通行に関する〇×クイズ」があります。問題ををみると「自転車に乗ったまま愛犬のリード(ひも)を持って散歩させることは違反である(抜粋)」というクイズが出題され、解説もあります。
警視庁公式HP:自転車の通行方法等に関する〇×クイズ
リードを持って走ることは「片手運転」になることが違反であって、仮にリードを持ちながら両手でハンドルを持っていたとしても「ながら運転」にもなるため、すべてが違反で危ない行為です。
自転車指導警告カードを警察官から渡された時、場合によっては違反者講習会を受講しなくてはならないケースもあります。
愛犬との時間を楽しむお散歩は、ゆっくり歩きながら景色を見たり、匂いを嗅がせてご近所のワンちゃんとのコミュニケーションをはかる大切な時間にしたいですね。
ライター:今井由江