ペットと一緒に災害対策!「同行避難」について
「同行避難」について
9月1日は「防災の日」です。
いまから80年以上前の1923年(大正12年)9月1日に発生した「関東大震災」に由来され、さらに8月と9月は台風の襲来も多いことから防災の日と制定されました。
その後、首都圏直下の大地震は発生していませんが、阪神淡路大震災や中越地震、北海道、熊本、記憶に新しい東日本大震災など多くの震災に見舞われ、日本は世界でも稀にみる地震大国です。さらに最近では豪雨災害や土砂災害など、毎年のように水災にも見舞われ、日本のどこに住んでいても災害対策は万全にしておく必要があります。
災害を繰り返すたびに問題になるペット同行避難ですが、年々多くの取り組みがなされ、少しずつですが「同行避難」が理解され進歩しつつあります。それでもまだ多くの課題があり、受け入れ側と被災者の双方が努力する必要があります。
理解しておきたい「同行避難」「同伴避難」の正しい意味。
近年「ペット同行避難」は自治体が発行する防災対策ガイドラインの中に盛り込まれるようになりました。ただ、ペットと一緒に避難をすることは良いことばかりではなく様々な問題があることは言うまでもありません。
また、飼い主の命を守るため、同行避難や同伴避難といった言葉を使って避難を促しますが、飼い主自身が意味を取り違えているため、避難先でトラブルになるケースもあります。
避難所を運営する自治体や学校関係者などは被災者の受け入れだけでも苦慮している時に、ペットのトラブルやクレームを受けてしまっては、避難所運営が成り立ちません。飼い主はそういった事態を避けるためにも現状を理解し、スムーズに避難ができるよう避難の在り方を正しく理解しておく必要があります。
〇ペットの同行避難:災害時にペットを同行して避難所まで安全に避難すること。
※ペットと共に避難(移動)する「避難行動」を指します。
※必ずしもペットと一緒に避難所に入れることではありません。(各自治体や避難所の個別判断)
※避難所でペットを人と同室で飼養管理することではありません。(飼養環境は避難所によって異なる)
〇ペットの同伴避難:被災者が避難所でペットを飼養管理すること(状態)を指します。
※ペットと一緒に避難所に避難できます。
※必ずしも避難所でペットを人と同室で飼養管理することではありません。(飼養環境は避難所によって異なる)
さまざまな避難の形で、すばやく最善な避難を心がける
災害の状態によっては、避難所に行くことが最善ではない場合があります。
夏から秋に増える台風や豪雨災害の場合は、雨量が増えた時間帯や夜間の移動は屋外に出ること自体が危険です。また、車でも徒歩でも荷物を持ってペットと一緒に避難するのは、雨量が少なく道路の水位が低い時に限られ、水位が上がってからでは車は途中で動かなくなり流される危険もあり、小型犬は外を歩くことすらできません。
在宅避難:地震や洪水などの被害で家に破損がなく、2階に上がるなどの対応で浸水被害を免れる場合。
車での避難:地震や土砂災害などで道路の破損や冠水がなく、雨量も運転に支障がない場合、一時的に高台や安全なエリア、知人親戚宅に避難する。台風の場合などは事前に壁や屋根のある立体駐車場に一時的に避難することも有効。
ペットを安全な場所に預ける:事前にトリミングサロンやペットホテル、動物病院など一時的に安全なエリアの施設に預け、飼い主は避難所に避難する。台風や豪雨などの災害が完全に避けられたことを確認してから迎えにいく。
[出典:環境省 人とペットの災害対策ガイドライン]
住んでる地域の災害対策を知っておこう
東日本大震災を契機に改正動物愛護管理法の中では都道府県や自治体が策定する動物愛護管理推進計画の中に災害時の対応を記載するよう盛り込まれ、各自治体それぞれが災害への備えについて検討を進めています。全国の自治体でどのような対策が検討されているか、記載状況がまとめられています。住んでいる市町村はどのように対策されているか(検討されているか)、一度確認しておくことも大切です。
〇防災計画等における動物愛護管理の記載状況(令和3年4月1日現在)
〇一度は見ておきたい災害対策マニュアル
・居住地域のハザードマップ(地震の時の避難所、水害の時の避難所、広域避難所などをチェック)
・居住地域が策定したペット災害対策ガイドライン
・環境省 人とペットの災害対策ガイドライン
ライター:今井由江