SippoFesta「ペット防災&アウトドア」レポート!災害時の避難計画や防災グッズの準備を解説
災害時の避難計画・防災グッズ
前回に引き続き、”Sippo Festa“ のレポートをお送りします。
今回は、Sippo Festaのメインコンテンツの一つ、特定非営利活動法人 ペット災害危機管理士会の「防災セミナー」を受講してきましたのでわかりやすく解説していきたいと思います。
最近では新型コロナウイルスの影響もあり、在宅避難件数も増えているそうです。
災害時の避難計画や防災グッズの準備の参考にしていただけたら幸いです。
1.ハザードマップの確認
「国土交通省ハザードマップポータルサイト」では、洪水・土砂災害・高潮・津波などでどのくらいの影響が出るのかを、わかりやすい地図で確認できます。
身の回りの災害リスクを調べておくことで、災害の種類によって、すぐに避難することが出来るので確認を忘れずに!
※国土交通省ハザードマップポータルサイト
https://disaportal.gsi.go.jp/
2.自宅近くの避難場所を確認
ペットの受け入れが可能かも確認しましょう。
自治体によっては、災害時のペット対策をガイドラインにまとめている自治体もあります。
同行避難が可能であっても、ペットと同室にいられるとは限りません。
避難所には、多くの方が避難します。中には、動物にアレルギーを持つ方や動物が苦手な方もいるので配慮を忘れないようにしたいところです。
同行避難と同伴避難
- 同行避難:ペットと共に避難所へ避難すること。居住スペースは区別されていることが多い。※ペットは外に避難スペースを確保されることも多いようです。
- 同伴避難:ペットと共に、避難所へ避難し、避難所での居住スペースも同じ空間で過ごすことが可能。
3.ガイドラインの活用
環境省ではペットの災害対策として、ペットと安全に避難ができるようにガイドラインを作成しています。
各自治体もガイドラインに沿って防災計画を作成していますので、ペットと一緒に避難する場合のルールなどを事前に調べておくことも備えの一つだと思います。
・人とペットの災害対策ガイドライン 災害への備えチェックリスト>>
・備えよう!いつもいっしょにいたいから ペット動物の災害対策>>
・ペットも守ろう!防災対策 いつもいっしょにいたいから>>
4.災害用伝言ダイヤル(171)の確認
災害用伝言ダイヤル(171)は、被災地の方の電話番号をキーにして、安否等の情報を音声で登録・確認できるサービスです。
災害発生に備えて事前に災害伝言ダイヤルの利用方法を確認できる体験利用提供日があります。
毎月1日,15日 00:00~24:00
正月三が日(1月1日00:00~1月3日24:00)
防災週間(8月30日9:00~9月5日17:00)
防災とボランティア週間(1月15日9:00~1月21日17:00)
伝言登録時間:30秒
伝言蓄積数:電話番号あたり20件
5.首輪
首輪には所有者の明記をしておきましょう。迷子になってしまった際にも、連絡が取れる可能性が広がります。
”Sippo Festa“では災害時に役立つサービスやアイテムも展示されていましたので、ご紹介します。
飼い主の個人情報ではなく、QRコード化した迷子札の「おかえりQRペット」。
QRコードだから、携帯番号などの個人情報を他の人に知られずに、やり取りできるから安心です。
QRコードを読み取った発見者が、発見場所の地図や保護したペットの様子や写真をWeb上で共有することが可能です。
マイクロチップの挿入
マイクロチップは、災害時だけでなく、迷子になってしまった際にも飼い主の元へ戻れるチャンスが広がります。
マイクロチップの義務化(2022年6月~)
2022年6月以前に飼われているペットのマイクロチップ挿入は努力義務ですが、2022年6月以降にお迎えされる犬猫は、マイクロチップの挿入が義務となります。また法律の施行とともに国のデータベースが作成されました。
動物の愛護及び管理に関する法律に基づく犬と猫のマイクロチップ情報登録(環境省)
https://reg.mc.env.go.jp/
大規模な震災時には、国のデータベースに登録しておくことで、万が一の時の安心につながります。2022年6月以降に国のデータベースに登録する場合、300円~1000円の登録料金がかかります。※2022年6月現在
6.しつけと健康管理
避難や避難所での生活は、ペットにとっても大きなストレスになります。
しつけは、ペットや周りの方の安全確保やストレスの軽減のためにも十分な準備をすることが重要です。
また、避難所では、衛生面や臭いが問題になります。定期的なシャンプーやブラッシングできれいにしておくことで、ペットを飼育していない方へ印象も変わります。また、日常的なブラッシングは、病気の早期発見につながることもあるので、小まめに行いましょう。
※ワクチン未接種・寄生虫予防をしていないペットは避難所へ入ることができません。
「ハウス」(キャリーなど)での生活
「クレートトレーニング」
クレートトレーニングとは、安全で安心できる場所であることを覚えさせ、クレートに合図で入り、一定時間クレートなどの中で待てるようにすることです。
環境の変化時に、自分の知っているクレート内にいることは、動物にとって、安心につながります。普段、動物病院に行くときのみクレートを使用するなど、クレート=嫌な場所と思っていると不安が大きくなります。トリーツを使用して、普段から慣れさせることで、クレート=安心と思えるようにしておくと、吠えるリスクもなくなり、避難所でのトラブルを回避することができます。しつけ教室も増えていますので、この機会にトレーニングを始めてみてもいいかもしれません。
環境の変化(知らない人・他の動物・音や物など)
避難所では、他のペットと隣同士で長い時間を過ごすことになるかもしれません。ペット同士の挨拶やマナーを身に付けておくことが重要です。犬であれば、毎日のお散歩時に他の犬と挨拶できると良いですし、他者よりトリーツをもらうなどして、フレンドリーな犬を目指しましょう!
呼び戻ししてリードをつなぐ/「オスワリ」「マテ」「フセ」などのトレーニング
緊急時に「おいで」の一言で、飼い主の元へ戻ってくることは、安全に避難をすることにつながります。「呼び戻し」が出来ると、万が一、リードが手から離れてしまった際にも犬の安全を守ることもできますし、飼い主の指示に従うことは、飼い主と犬の信頼関係が十分に築けている証になります。
吠えたり、騒いだりしたときの対処方法
ペットの鳴き声は、騒音と捉えられる方もおり、多くの方が避難される避難所では、特に注意が必要です。日頃から「吠えた」時に静かにできるようにトレーニングしておくことが大切です。吠えた時に怒鳴ったり、怒ってしまうと、「応援」されていると勘違いしてしまう子もいるので、「吠える」ことをやめたら、褒めてあげましょう!
トイレトレーニング
避難所では、散歩をすることが難しいこともあるかもしれません。ペットシーツで排泄ができると、避難所だけでなく、シニア期や台風など散歩に行けない際にはとても楽になります。トイレを我慢することは、犬にとってもストレス・身体への影響の可能性もあります。外でのトイレが習慣化してしまってから、急に室内でトイレをさせるのは、難しいかもしれませんが、無理のないように少しずつ慣れさせていきましょう。
7.防災グッズ
避難所にペット用品が届くのは、人間より後になります。そのため、備蓄分と避難時に持参するものを分けておきましょう。
- ペットフード
- お水(体重(g)×0.05~0.07=1日に必要なお水の量)
- 食器
- 薬:常備薬や療法食は3週間分程度多めに
- クレート・バリケン・キャリー
- 首輪/リード
- ペットの写真
- 健康手帳(各種ワクチン接種証明・寄生虫予防の記録・既往歴や注意点)
- トイレ用品 ※マナー袋は臭いの抑えられるものが良い
- ブラシ・ボディタオル・タオル
- 嗜好性の良いトリーツ
- 熱中症対策や防寒グッズなど
- おもちゃ
- ペット用靴・靴下・自着性弾力包帯など ※ガラスなどでパットをケガしないために
”Sippo Festa“ではシンプルな防災キットが販売されていました。
ドライフードは小袋があると便利ですが使用しているフードに小袋があるとは限りませんね。
その場合は現在使用のフードを真空パックにして小分けにすることができます。
小分けすることで酸化防止することもできます。安いもので約3000円程度~購入出来ます。低温調理も出来て、使い道はお料理にも使えるので便利。真空パックして、開封後の賞味期限は約1.5~2か月ほどが保存期間の目安です。フードに関しては、賞味期限のチェックが必要になりますね。
在宅避難
新型コロナウイルスの影響により、在宅避難を選択する方もいるそうです。
自宅が安全であれば、ペットも安心して過ごすことが出来ますが、デメリットもあります。
デメリット
・情報は避難所に集まるため、毎日、避難所に確認に行かなければならない
・自宅の備蓄品を十分に確保しておく必要ある
車中泊
ペットの状態により、飼い主さんと離れての生活が難しい場合、車中泊も選択の1つです。
エコノミー症候群の可能性があるため、ご自身やご家族の健康管理も注意が必要です。
避難所には、ペットと共に車中泊していることを必ず伝えましょう。安全な場所でテント泊する方法もあります。
一時預かり先の確保
安心してペットを預けられる場所を探しておくことで、飼い主自身が早期の生活再建につながる場合があります。近くに住む家族や親戚、ペットホテル、動物病院など信頼できる預け先を見つけておきましょう。
災害時に大切なことは、周りとの助け合い
普段からご近所の方と良い関係を築き、コミュニケーションを取ることで、困った時に助け合うことができます。しつけや健康管理は特別なことではなく、日常に取り入れることでペットとの信頼関係もより深く築けます。とは言っても、急に全てのことが出来るようになるのは難しい・・・。最近では、SNSやインターネット情報が充実しているので、そちらの活用することも1つですが、しつけ教室に通うこともおすすめです。ペットの環境変化に伴うストレスの練習にもなります。
何よりプロが個々にあったトレーニング方法を見極めてくれるから安心ですよね。
↓リュックにすべて入れてみました。
万が一の同行避難に備えて、防災グッズを準備してみました。(5日分を想定)
ポータブルの食器やタオル・お水・ペットシーツなどの追加が必要ですが、ペットの物だけでも結構な荷物になりそうです。また、常備薬が必要な場合は、忘れずに準備しておきたいのと季節に応じて、防寒グッズや熱中症対策もあるといいですね。
↑夏場は、うちわなどを用意してみました。保冷剤などを凍らせる冷凍庫などがあれば、保冷剤もあると便利だと思いますが、電気を使用できないことを考えると手動で仰げるものが安心。電池式の扇風機もアウトドア用品で購入可能です。
また、凍らせなくても使用できるネッククーラーやマットなどを準備しておくといいですね。
↓冬場などは、防寒対策として、洋服やブランケットなどがあると便利。使用方法によっては、ホッカイロなども有効です。
災害時に、街灯が消えて、真っ暗なことを想定して、首からかけることで両手が空く ライトがあると便利です。
ワクチン接種証明書(コピー)やペットの写真などの書類は、濡れても大丈夫なようにジップロックなどに入れておきましょう。
避難所では、ワクチン接種証明がないとペットを受け入れてもらえないので、準備を忘れずに!
ペットの写真は、迷子になってしまった際に使用します。また、迷子になってしまったペットが見つかった際に、飼い主であることを証明するために、ペットと家族が一緒に写った写真があるといいそうです。この機会に一緒に写真を撮っておくといいかもしれませんね。
猫用の防災グッズも販売されています。猫用には、簡易トイレがついています。
折りたためるので、持ち運びには便利です。
↑Amazonで3980円で販売(2022.6時点)
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猫は、犬より環境の変化に弱いです。猫も普段からクレートに慣れさせておくと良いでしょう。
ペット以外に自分自身の防災グッズも必要です。
食料・お水・携帯ラジオやスマートフォンの充電器など最低限の荷物を準備しても結構大きな荷物になります。
すべて準備して避難できる量かも確認しましょう。
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