ペットの防災 お出かけ時の防災対策
ペットの防災 お出かけ時の防災対策
9月は防災月間。大正12年9月1日に発生した関東大震災では、私が暮らす神奈川県西は震源地であったこともあり大きな被害がでて、小田原は壊滅的な状態になったと聞いています。
台風シーズンでもありますが、いまは台風だけでなく集中豪雨の被害も多くなり、突然大きな災害に見舞われることがあります。
誰もが「被災者」になり得る自然災害から逃れることはできないものの、心がけ次第で被害を最小限に抑えることができます。
災害時に一番大切なのは冷静な判断と「自助」(自分自身を守る)です。家族や大切なペットを守るために、最大限の防災を心がけましょう。
ペット災害危機管理士として、9月はペット防災を中心にニュースをお届けしたいと思います。
お出かけの時に心がけたい防災対策
ワンちゃんと一緒に出かける時は、車を利用することが多いと思います。しかし、災害は時と場所を選びませんから、外出先で被災することもあります。見ず知らずの土地では知り合いもなく、自分の力で自宅まで帰らなくてはならないため、家族と愛犬を守るための最低限の準備を車に用意しておきましょう。
おでかけの時も、防災を意識した準備を
知らない場所で被災した場合、家に帰ることだけでも大変な努力が必要です。心がけ次第で、安全に迅速に帰宅できる可能性があります。
・ガソリン
満タンで出かけましょう。被災地でのガソリン入手は困難で、帰宅に何日かかるかわからない場合もあります。遠回りを余儀なくされることもあるので、ガソリンが半分を切ったら満タン給油を心がけましょう。
・雨や雪対策
突然の大雨や大雪で車が動かなくなることがあります。冬の山間部に行くとき、晴れ予報であってもチェーン携行は必須です。雪が降ってから購入しようとしても、ガソリンスタンドなどに購入希望者が殺到するので、売り切れやタイヤサイズが合わず入手困難なことも多くあります。万が一の時は、Tシャツなどの古着をタイヤに巻き付けるだけでも一時的に車を動かすことができます。
また、レインコート(レインズボンも)を積んでおくと便利です。冬は寒さ対策にも使えます。両手を自由に使えるようにしておくため、傘は不向きです。安価な使い捨てでかまわないので、車に人数分を積んでおきましょう。
・ドライブ中の道路冠水
車にはケージも載せておきましょう。突然の大雨や豪雨で道路が冠水し、歩いて避難する際は道路の水位を確認します。人にとってはひざ下でも、ワンちゃんにとっては首まで浸かる水位かもしれません。小型犬ならケージにいれて手持ちしたり、中型・大型犬であれば水位が上がる前に早めに避難を検討しましょう。
お出かけ先の情報を知っておこう
お出かけ先にどんな被害想定があるかを調べておくと、いざというときに役立ちます。海に近ければ津波の被害想定、山であれば土砂災害や河川氾濫の危険度マップを調べておくと便利です。都道府県でもハザードマップを詳細に出しているので、検索して見ておくだけでもとっさの避難判断に役立ちます。
また、おでかけ先周辺の避難所やペット防災のガイドラインをチェックしておくと便利です。市町村のHPなどを検索すると簡単に調べることができます。愛犬と一緒に避難できる場所があるかどうか、確認してみましょう。
参考までに「国土交通省 防災ポータル ハザードマップポータルサイト」をご紹介します。
https://disaportal.gsi.go.jp/
ドライブ中も周囲をチェック
海や山は気持ちの良いドライブルートです。ただ、この時も防災を意識しましょう。道路脇を見ていると「海抜〇m」や「津波浸水想定区域」「時間雨量・連続雨量〇mm 通行止め」などの表示を目にすることがあります。今いる場所にど「防災」というと、備蓄品を買い込んだり防災グッズを考えるのが面倒という方もいますが、わざわざ考える必要はありません。暮らしの延長と考えれば費用もかかりませんし、家族に必要な物を必要な分だけ準備すればよいので、平常時に想像を巡らせて準備しておくことをお勧めします。
また、宿泊先やカフェに立ち寄ったときは愛犬と迅速に避難できるよう、必ず非常口をチェックします。
家族と愛犬を守るのは自分自身だという心がけを常に持って、一人一人が防災減災に取り組みましょう。
ライター:今井 由江